『白い恋人』を食べて利尻(仙法志稜・南稜)へ行こう ♪

銘菓『白い恋人』のパッケージには、鬼脇方面から撮った利尻の写真が使われています。
積雪期の仙法志稜・南稜の概念がよくわかる、素晴らしい写真です。
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①仙法志稜
②マオヤニキレット
③仙法志ロウソク岩
④P2っぽく見えますがP2ではないと思います。P2は⑤の真後ろに隠れています。
⑤大槍
⑥南稜
⑦P1
⑧バットレス
⑨東稜
⑩ヤムナイ沢大滝

*石屋製菓HPより*
「白い恋人のパッケージに描かれている山が、実は北海道の秀峰「利尻山」ということをご存知ですか?当時の社長が利尻を訪れた時、まるでスイスの山並みのようだと感激し、
ヨーロッパ風のお菓子を目指していたことから、その美しい山容をパッケージに描いたそうです。」
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・・・ん?本当か?? なんか理由が「後付け」っぽいけど。
実は社長、スーパークライマーだったのではないか?! w


【おまけ】東京志岳会3人組 バットレス敗退の軌跡

当時我々は『白い恋人』にすべての解答が載っていることを知らなかった。
あの時『白い恋人』さえ食べていれば・・・ www
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A:最初の滑落地点
マオヤニキレットからの懸垂下降でスノーボラートが抜け、1名が約90m滑落。仰向けで頭を下にして真っ逆さまに堕ちていったが、深雪にもぐって止まり奇跡的に無傷。

B:敗退点
吹雪の中、頂上バットレスが登れず敗退を決意。(凍傷&墜落)

C:エスケープ失敗
バットレスのコルからヤムナイ沢側に懸垂下降し、脱出を試みた。3ピッチ下降し垂壁の上に出たが、そこから先はロープが下に届くかホワイトアウトと強風(ロープを投げても強風に吹き上げられて壁にひっかかってしまい、真下におろせなかった)で確認できず、むやみに下りると宙釣りになる危険性大だったため、諦めてコルに戻ることを決意。
登り返し中に日没。再度P1にビバーク。

D:進退窮まってヤムナイ沢に懸垂下降
・P2手前まで戻り、P2は登り返し不可能で西壁側(画面の向こう側)も下降できる見込みがないので、ヤムナイ沢側への懸垂下降を決意。この時もホワイトアウトでロープが下に届いているのか確認できなかったが、これ以外に選択肢が残されていなかった。結果的にロープはギリギリ下に届いており、セーフ(50m)。
・技術的にヤムナイ沢大滝を下降できるのか全く未知だったが(滝の高さはどの程度なのか、何段に分かれているのか、氷は露出しているのか、オーバーハングしていないか、使えるアンカーは残っているデッドマン1枚だけでこれだけを頼りに下り切れるのか・・・)、ダメだった時は最悪南稜に這い上がって逃げる覚悟で、とりあえず大滝の落ち口まで下降。

【補足】某大学山岳部の遭難事例で、雪庇が崩壊して東稜からヤムナイ沢側に堕ちた人物が、東稜に登り返さずそのまま麓に下りて生還したような話を思い出し(誰も正確には覚えていなかったが)、その事例から「大滝は下降可能なのではないか」と考えたのが、我々が大滝の通過を目論んだ最大の動機。

E:ヤムナイ沢大滝下
・落ち口から見た大滝は、雪に埋まっていてクライムダウンできそうな斜度に見えたため、大滝ゴルジュの下降を決意。
①スタカットビレイ(交互に確保)でモタモタ下りて、全員一緒に雪崩にやられるか、
②スピードを優先してフリー(確保なし)で下りて、しくじった者だけが一人で堕ちるか、
どちらかの選択だったが、雪崩のリスクがあまりにも高かったのと、「仮に滝の途中で堕ちてもまた深雪にもぐり込んで止まることもあるのでは」との希望的且つ楽観的な判断から後者を選択し、各自フリーでクライムダウン。
・大滝は数段に分かれた急峻な雪壁になっていたが、幸運なことに全て雪崩に埋まっていて、オーバーハングも氷の露出もなく、実質20分くらいで通過できた。心臓バクバク。
・大滝下に抜けた直後に、今通ってきたばかりの大滝上部からの雪崩に襲われたが、なんとか側壁に逃げられたため、ザックを流されただけで済んだ。

大滝下(E地点)に到着したところ。この直後、ゴルジュの幅いっぱいに雪崩が噴き出てきた。
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大滝から下のヤムナイ沢は、穏やかな別世界。もう大丈夫。
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***
幸運が、実は、予感された不幸の回避にほかならないことは、しばしばみられるところである。
(ラインホルト・メスナー)
***

■関連記事: 利尻山 仙法志稜
http://shigakukai.exblog.jp/19292785/
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by shigakukai | 2014-03-30 16:32 | いろいろ | Comments(0)


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